医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈恩20号

日一日と冷気が加わってくるような気がいたします。ご体調を崩されてはおりませんか。今回は「緑内障外来」についてのお話をさせていただきます。

 

医療法人恭青会
理事長 生野 恭司 
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慈恩編集部

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緑内障外来について

今回は緑内障の最新の治療についてお話しします。

緑内障は日本の失明の第1位を占める最も恐ろしい病気です。一般的には眼圧が正常値を上回り、それに伴って視神経が障害され、徐々に視野が小さくなります。最終的には視野の大部分が失われ、視力が低下し、ほとんど見えない状態になります。

進行は多くの場合、極めてゆっくりのため、初期では異常に気づかないことが多く、治療の機会を逃してしまうと、大きな視覚障害を残してしまう可能性があります。

また、発見が遅れることも重大な問題ですが、近視の方が緑内障になることも大きな問題となっています。

緑内障にはいくつかの種類がありますが、日本では眼圧が正常でも近視などの理由により網膜や視神経そのものが弱くなり発症する「正常眼圧緑内障」が大多数を占めます。眼圧が正常なため、眼圧測定などの簡易検査で発見しづらく、多くの場合視野検査や網膜断層検査など、高度な検査が必要となります。

緑内障治療には点眼薬(プロスタグランジン製剤やβブロッカー、神経作動薬など)を用いて眼圧を下げる降圧療法が一般的ですが、1つの薬で眼圧が下がりきらない場合は、複数の薬を順次追加していくこととなり、多い方では4、5つもの点眼薬を使用しています。

 

また、緑内障の点眼薬には少なからず副作用があり、外見への影響や角膜表面の障害を起こすことが頻繁に見られます。近視などによって網膜が弱い場合、眼圧を下げても進行を止めるのに十分な効果が得られないことが問題となっています。

 

緑内障の一般的治療が点眼治療だとされている中で、最近では緑内障のレーザー治療がめざましく発展しました。選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)と言われる治療法が非常に有効であることがわかってきました。最近のイギリスの論文では「点眼治療よりもむしろレーザー治療を重点的に考えるべきだ」との結果も出ました。効果はもちろん個人差がありますが、人によっては点眼薬よりもレーザー治療の方が眼圧を下げる場合があります。

 

レーザー治療への抵抗や、費用の問題はありますが、一生涯で点眼薬を点し続けるよりも安価であり、点眼薬で十分な効果を得られない方や、様々な問題から点眼薬を継続できない場合にも有効な治療となることもわかってきています。

 

いくの眼科では2020年1月より金沢大学の杉山教授、吹田済生会病院の新田先生による緑内障SLT外来を土曜日に開始いたします。当面は完全予約制とさせていただきますが、眼圧コントロールに不安な方や、手術は無理だがもう少し眼圧を下げたい患者様にも最善の緑内障の治療が可能になります。

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