医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈恩27号

新緑の青さが陽光に眩しい季節となりました。

コロナウイルスの拡大で、暗くなりがちな生活の中にも、変わらず安らぎを与えてくれる自然の偉大さを感じます。

今回は眼瞼外来を担当します浅井医師に「眼瞼下垂と偽眼瞼下垂の鑑別」についてのお話をさせていただきます。

 

医療法人恭青会
理事長 生野 恭司 
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慈恩編集部

contact@kyoseikai.com

眼瞼下垂と偽眼瞼下垂の鑑別について

さて、本日のテーマは上のまぶたが垂れ下がって目が開きにくくなる疾患である、眼瞼下垂と、偽眼瞼下垂の鑑別についてです。(図1)

【症状】
「上のほうが見づらい」などの症状がみられます。重度になると「目が疲れる」「重い」といった症状が出ることもあります。

【原因】
加齢、外傷、神経麻痺などがあげられます。まれに先天性の方もおられます。

特に今回は、【偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)についてお話したいと思います。

手術適応や術式決定に重要になるのが、眼瞼下垂との鑑別診断になります。

鑑別すべき疾患と、当医療法人で特に留意している点について、ご説明いたします。

1.皮膚弛緩症(ひふしかんしょう)
   表面の皮膚がたるむ病気
※眼瞼下垂に間違われやすい

特に、一重まぶたの方に多いです。

下垂しているまぶたの下縁に皮膚の丸まった感じ(内側に折りたたまれた感じ)がある。

瞼の皮膚が分厚い印象がある。

そのような人は眼瞼皮膚だけを持ち上げて、まつげの根元が見えるように診察します。

まつげの根元が見えている状態だと瞼の位置は正常な方は、皮膚弛緩症に該当します。

上方の視野に障害があれば、皮膚切除術を行います。

2.顔面神経麻痺に伴う眉毛下垂

こちらは病歴から、分かる事がほとんどですが、通常の下垂では、前頭筋を挙上することによってまぶたを上げようとします。

そのため、下垂している側の眉毛は上がります。

ところが、顔面神経麻痺では下垂している側の眉毛も下がります。

皮膚弛緩症と同様、上方の視野障害があり、症状が固定していれば手術をすることもあります。

3.上下斜視
   右眼か左眼どちらかの視線が上下にずれた状態

眼瞼下垂があるように見える眼の反対眼を遮蔽して、下垂を疑う眼で固視にして、診察すると、角膜反射が正しく得られ下垂ではない事が判断できます。

4.眼窩病変(がんかびょうへん)
  眼球のはいっている頭骨前面の穴に腫瘍ができる病気

眼球下方の腫瘍や眼瞼上方の腫瘍でも起こり得るので、注意を要します。

角膜反射の位置を定規を用いて丁寧に診察する

眼球自体の位置異常がないか、少し離れて診察する。

と見逃しにくく判断しやすいかと思います。

他院からご紹介いただき、実は髄膜腫だった!なんていうこともございました。

正確には「髄膜腫の再発」だったのですが、患者様ご自身は、「脳神経の病気と、眼科の病気は無関係だから必要ない!」とご判断され、異常な腫れ方をしてからやっと事実にたどり着いた、という経緯がありました。

眼瞼についても、全身的な問診が、とても大切だと本当に勉強になった出来事でした。

眼瞼下垂の治療に関するご相談・お問い合わせは
当院にお任せください。

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